この画家は、岩絵具の発色と重層的な絵肌を生かした抽象的表現を試みてきました。最近の仕事はその抽象の中に風景が垣間見えるようになってきています。それは単なる抽象ではなく且つ単なる風景でもない、この画家の新たな地平であると思うのです。 佐藤美術館 学芸部長 立島 惠