ベンガラ、墨などにより醸し出された古代壁画や古い木版画のような絵肌。そこに描かれた人物らしき存在は影や闇の如く。社会派リアリズムとは違うが、ベンシャーン、ケーテコルビッツを想起させる人間臭さがこの画家の真骨頂だ。 ー佐藤美術館 学芸部長 立島 惠